2011 comic review 3 of 5

日曜日, 01. 15. 2012  –  Category: Featured, Review

過去のコミックレビュー

大奥/よしながふみ

大奥 7 (ジェッツコミックス) 大奥 7 (ジェッツコミックス)
よしなが ふみ

白泉社 2011-06-28
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ついに吉宗編にもどってきたーーー!!

家宣編も良かったですね。左京=月光院が「やっと間房様が笑ってくれた…ッ!」と嬉し泣きするところとか、江島が生島を会った後、床の中で思い出して幸せさに悶絶するところとか。

ですがですがようやく、1巻の最後、吉宗が男女逆転の真実を知ったところに戻ってきました。さて、この後の展開が楽しみ過ぎます…!!

きのう何食べた?/よしながふみ

きのう何食べた?(5) (モーニングKC) きのう何食べた?(5) (モーニングKC)
よしなが ふみ

講談社 2011-09-23
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ここんとこ若干ゲイネタが増えてきた印象。

普通にご飯マンガとして軽く読める良作なので、二人をゲイカップルにする必要あったんだろうかとか思うわけですが、まあ、せっかくの設定ですし、このエリアにおけるよしながふみの実力を思い知るがいいフハハハハみたいな。

花よりも花の如く/成田 美名子

花よりも花の如く 9 (花とゆめCOMICS) 花よりも花の如く 9 (花とゆめCOMICS)
成田美名子

白泉社 2011-07-05
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ただの能バカかと思われていた憲人くんですが、最近交友関係が派手(テレビ関係の人とか)になってきたのに続いて、ついに想い人が……ッ!

このまま恋愛漫画になってしまうんでしょうか?(反語調)

まあ、葉月さんは今のところ脈が薄そうだし、朴念仁の憲人に恋愛は似合わないので(酷い)、大いに派手に失恋して、芸の肥やしにすると良いと思います。
そうそう、ここのところ芸事の話が少なかったので、次の巻あたり、ガチで能の話でもよろしいかと。

花咲ける青少年 特別編/樹 なつみ

花咲ける青少年 特別編 1 (花とゆめCOMICSスペシャル) 花咲ける青少年 特別編 1 (花とゆめCOMICSスペシャル)
樹 なつみ

白泉社 2011-03-04
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予想以上にクインザの扱いが良い度 ★★★★★

まさかの復活、花咲ける青少年。

樹なつみ先生の作品では、一番好きな作品です。美形男子ワラワラ乙女ゲー展開はどうでも良いんですが、最後にマハティに面会するシーンで号泣します。

この手の復活番外編は、時間が経ちすぎていて作者の画風が変わっていたり、価値観が変わっていたりで、自分の抱いていた作品イメージが壊れてガッカリする(が、いかんせん公式なので怒りのやり場がない)ケースが多いのですが、これはかなりの再現度です。

ただ、2巻のルマティはちょっと…もうすこし漢らしい感じだったと思うのですが…
あと、クインザは中二的にグッと来る系なので、こういう続編ものでは作者が恥ずかしくなって扱いがぞんざいになる傾向があるのですが、この特別編では本編よりもクインザの扱いが良くなっています。
本編のファンで、かつクインザ様~~な人は読むと良いと思います。

ちょっと江戸まで/津田 雅美

ちょっと江戸まで 6 (花とゆめCOMICS) ちょっと江戸まで 6 (花とゆめCOMICS)
津田雅美

白泉社 2011-11-04
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「彼氏彼女の事情」の津田雅美によるなんちゃって江戸時代漫画。

男の子っぽいサバサバした性格&美少年ルックスのそうびと、姫なルックスと性格ながら水戸藩主の嫡子のミッシェルが昌平坂学問所で出会い、学校のゆかいな仲間やらなんやらと成長する物語。やがて将軍家の後継問題に巻き込まれていくミッシェルは…的な話。

江戸はあくまでなんちゃってだし、話の筋もトンデモなのだが、そうびやミッシェル、彼らをとりまく人々は読者に媚びたり妙に誇張されることなく丁寧に描かれていて好感が持てる。
最後にそうびが「ちょっと江戸まで行ってみるかくらいのつもりだったんだけどなー」という言葉にグッと来る。
声を大にして「傑作だー」とか言うほどではないけど、肩肘張らずに読める良作。

ちなみに本当は学園アリスをそろえたかったんだが、Amazonをウロウロしていたらなぜかこっちを勧められて買ってしまったという。。。

僕の優しいお兄さん/今 市子

僕のやさしいお兄さん 4 (花音コミックス) 僕のやさしいお兄さん 4 (花音コミックス)
今市子

芳文社 2011-09-29
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もうこの人、ホモ漫画描く気全然ないよね……  花音コミックスなのに。
ホモホモ言ってる割には展開がドタバタすぎて台無し感がハンパないです。ギャグにしか見えません。

まあ、psi的には今市子先生だから買ってるだけで、別にホモ漫画読みたいわけじゃないからいいんですが。
ドタバタ家族劇を描かせたら本当に上手いと思います。読み口はライトなのに、たまにハッとさせられる。
自分的には、家族劇でいうなら「あしながおじさんたちの行方」の方が好きですけどね。
ホモ読みたい人は「幻月楼奇譚」の方がいいと思います。これも殆どホモ色ないですが、↑よりはお耽美なのでマシかと。
一番いわゆるBL的に良くできてるのは「楽園まであともうちょっと」ですかね。

王子様と灰色の日々/山中 ヒコ

王子様と灰色の日々(1) (KCx ARIA) 王子様と灰色の日々(1) (KCx ARIA)
山中 ヒコ

講談社 2011-10-07
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作者はBL主体で描いている人のようで、そっちの業界では結構評価されているみたいです。

ですが、BL作品ではないこの作品に関しては微妙ですね……
絵も演出も下手ではないと思うんですが、如何せん女が男の身代わりをするというところ以外特に代わり映えしないシンデレラストーリーなので、よほど枝葉の部分が上手くないと……
わざわざ一目見ればわかるような陳腐な設定とストーリーだからこそ逆にそういう細かい表現が秀逸なんじゃないかというpsiの直感は見事に外れました。。。

登場人物にゲイの子が一人出てくるので、今後作者の得意分野に引きずり込んでよい方向へ展開していくかもしれません。
(そうすると主人公が女なので空気化するという問題がありますが…)

さんすくみ/絹田 村子

さんすくみ 1 (フラワーコミックスアルファ) さんすくみ 1 (フラワーコミックスアルファ)
絹田 村子

小学館 2010-11-10
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多分、この作品を読んだ人の半数以上が佐々木倫子を連想したと思う。1000円賭けてもいい。(またか)

神社・寺・教会それぞれのジュニアである3人の青年によって繰り広げられるドタバタ宗教コメディ。
ですが、宗教のお勉強になるかといわれると、そこはあまり期待しないほうが。
あるいは、「聖☆おにいさん」のように、宗教じゃないと成り立たないネタかといわれるとそうでもなかったり。
リアル坊主、リアル神職の方々は「坊主あるある」「神主あるある」的な楽しみ方が出来ると思います。
そうじゃない方もユルく楽しめます。

読経しちゃうぞ!/絹田 村子

読経しちゃうぞ! (フラワーコミックス) 読経しちゃうぞ! (フラワーコミックス)
絹田 村子

小学館 2010-03-10
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「さんすくみ」の前日譚的なもの。
ノリは全く「さんすくみ」と一緒です。

聖☆おにいさん/中村 光

聖☆おにいさん(7) (モーニングKC) 聖☆おにいさん(7) (モーニングKC)
中村 光

講談社 2011-10-21
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運とタイミングって大事だよね ★★★★☆

すいません、もう最新刊買ってません…
正直、アニメだドラマだと中村光が取り上げられすぎて、右を見ても左を見ても中村光なので食傷気味とか、昔からプッシュしていた自分がないがしろにされた感とか、いろいろあった上に、先生のご出産で一気に露出が減り、そのタイミングでスーッと熱が引いていってしまいました。ホント、こういうのはタイミングだよね…

荒川アンダーザブリッジ/中村 光

荒川アンダー ザ ブリッジ(12) (ヤングガンガンコミックス) 荒川アンダー ザ ブリッジ(12) (ヤングガンガンコミックス)
中村 光

スクウェア・エニックス 2011-07-25
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「聖☆おにいさん」に同じ。
最新刊買ってません。すいません。。。

BAKUMAN。/小畑 健 大場 つぐみ

バクマン。 16 (ジャンプコミックス) バクマン。 16 (ジャンプコミックス)
小畑 健 大場 つぐみ

集英社 2012-01-04
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どんどん上手くなっているな… 恐ろしい子…ッ!

とかいうと、異論のある向きも多いかもしれない。小畑健の絵は日に日に簡素化してきており、2chなんかではこれを劣化とみなして大層叩かれている(ようだ)。
確かに、絵は単にシンプルにしたりデフォルメしたというだけでなく、手クセで描いているような、小畑健の絵の特徴である(といわれている)「端正さ」とズレた絵がしばしば見受けられるようになった。

ただ、「マンガ脳の鍛えかた」のインタビューで小畑健が述べているところによれば、長期連載をしているとだんだん素が出てきてしまうという。それが、ヒカ碁終盤の細い線の絵である。
とすれば、この(小畑健にしては)極端にデフォルメされた絵、ましてや手クセというのは、本当に手クセで描いているわけはなく、相当意識的に線を単純化して手クセっぽいクセを表現した結果といえる。

ストーリー面に関しても、七峰登場あたりからトンデモ展開にシフトしつつあり、リアリティ重視で着実に歩を進めるスポ根的姿勢からは離れてきつつある。トンデモというと聞こえは悪いけど、要はマンガチックに、マンガらしくなったということだ。それでいて、根本のリアリティはきちっと押さえている。たとえば、七峰の言動自体は現実離れしているけれども、ネットの普及による製作側・読者側双方の集合知の問題をどう捉えるかというのは、同時代性のあるリアルな問題意識だし、模倣犯問題も、実際に事件が起こる(しかも銀行強盗とか)と言ってしまうとトンデモになってしまうが、三次元世界への影響を懸念して表現に制約がかかることに対する危機感は、これも都条例がらみで実際に多くの漫画家が抱いているものだ。

そういえば先日、「西原理恵子の人生画力対決」を見ていたら、「吼えろペン」「燃えろペン」「アオイホノオ」など数々の漫画家マンガの作者である島本和彦に対して、藤田和日郎が「漫画家マンガはダメだ!」とか言っていた(しかもこれを日本橋ヨヲコにも言ったらしい。おぉぅ…まあ、G戦場ヘブンズドアは漫画家マンガとは言えないからな)のですが、その理由が「自分の周りをみるだけで済む漫画家マンガは、凄い勉強して、緻密な取材を元に描かれている他の漫画と比べて手抜きっぽいから」というような感じだった。
それを言うと、BAKUMAN。は当初集英社の暴露マンガに過ぎない=手抜きという言い方もできなくはなかったかもしれない。しかし、今の主軸は完全にそこにはなくなっていると思う。
他ジャンルの人だったら必死で勉強しないと描けないものを、自分の職業だから容易に描ける、というのが漫画家マンガを描く動機だとしたら、確かに手抜きかもしれない。
ただ、他ジャンルの人だったらどれだけ必死で勉強してもたどり着くのは困難だが、当事者だからこそたどり着けるというその地平を描くのと、当事者と同じレベルでの実感から生み出すのは不可能だが、勉強やヒアリングでそこにどこまで迫れるかを競うのと、どっちがエラいんだ……? と思うのであります。

2009年のレビューでpsiはこのマンガを、『漫画内でもジャンプ漫画とは何かということを語りつつも、それ自体がその最良の手本になっているというメタジャンプ漫画だ。』と評したが、現在のBAKUMAN。は確かにそれとは少し変わってきている。2011年のレビューとして、こう言い換えたい。『漫画内でも漫画とは何かということを語りつつも、それ自体がその最良の手本になっているというメタ漫画だ。』

銀魂/空知 英秋

銀魂―ぎんたま― 42 (ジャンプコミックス) 銀魂―ぎんたま― 42 (ジャンプコミックス)
空知 英秋

集英社 2011-11-04
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祝・アニメ再開!(遅い)

しかしあの読み切りを平行で描いていた時の空知先生は本当に限界だったんだなと思う。酷かった。。。

銀魂に下ネタが出てくるのは全然かまわないというかむしろ歓迎なんですが、それ主体、それ以外ない、みたいな回はクソつまらん。
特に上様が出てくる回は必ずそうだよね。
お下劣ネタしかない上に、ストーリーというか、状況設定というか展開も毎回全く同じでどこを面白がればいいかさっぱりわからん。

アニメがバラガキ編をどこまでカッコ良くしてくれるかが見ものですね。(男子高校生の日常にワーク裂かれてハンパなもの作ったらコロス!)

青の祓魔師/加藤 和恵

青の祓魔師 7 (ジャンプコミックス) 青の祓魔師 7 (ジャンプコミックス)
加藤 和恵

集英社 2011-09-02
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アニメの残念度 ★★★★★

原作は読まずにアニメを観始めたんだけど、序盤は原作がしっかりしているんだろうなーと思わせるストーリーテリングとキャラクターで、アニメーションも手を抜かずに作っている感じがして非常に好感の持てる作品でした。しかし、終盤からにわかにガタ崩れしてなにもかもが酷い感じになっていったので、何事かと思ってtwitterで青エクタグを見てみたら、どうも急にオリキャラ投入やらストーリー改変やらが始まったらしい。
限られた尺と話数でまとめる以上、オリキャラ投入や原作改変が必ずしも悪いとは思いませんが、あれはいくらなんでも酷い。
というわけで、アニメが見るに耐えないにもかかわらず続きが気になるので原作漫画を買ったというわけで。
やはり原作のほうが数倍出来が良いんだけど、いまやってるとこの収拾をどうつけるかを見届けてからじゃないと最終的な評価はできないかなー。

2011 comic review 4 of 5 につづく

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3 Responses to “2011 comic review 3 of 5”

  1. れんぎょう Says:

    「大奥」は・・・ついメロディみかけると立ち読みしてしまいます。
    コミックス出るまで待てない(つД;)
    1巻の最後に戻ったところで、もっと吉宗をディープに掘り下げるのかと思いきや・・・!
    江戸幕府後期をどう描くのかが楽しみで仕方がないです。

    「きのう何食べた」は、本棚の料理本コーナーに置いてます。

    「ちょっと江戸まで」は気になっていたのでやっぱり読んでみようかな。

  2. psi Says:

    >もっと吉宗をディープに掘り下げるのかと思いきや・・・!

    ええっ、気になる!
    引っ越してから近所に本屋がないので全然立ち読みしていません。
    うおお、気になる!

    >「きのう何食べた」
    実際作ってみてよかったやつとかあります?

    >「ちょっと江戸まで」
    是非!
    エエ話や~と爽やかに感動したり和んだりできること請け合いです。

  3. in/flux » Blog Archive » 2011 comic review 2 of 5 Says:

    […] → 2011 comic review 3 of 5 に続く […]

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