今回は中学校に入学して友達が出来たので、友達にウケを取ろうとしてpsiがギャグ小説を書き始めた話。

ごちゃまぜ言行録(完結・合作・異世界ファンタジー・パロディ)

 これは特に小説(物語)を書きたかったというよりは、ウケがとりたい一心で書き始めた。
 前回(ぼうけんⅡ)が、合作ゆえの結果的ギャグに陥っていた経験(&つまらないと言われたとき、共著がいるとダメージが少ないという打算)を踏まえ、途中からヤギタンと合作にした。
 とはいえ言いだしっぺはpsiなので、基本コンセプトはpsiが作ってヤギタンに話を持ちかけた。基本コンセプトといっても、プロットはドラクエⅡのシナリオを下敷きにすることと、他のマンガなどのネタを混ぜてパロディ仕立てにすることの二点だけ。鳥山明つながりでドラゴンボール、psiの趣味でルパンⅢ世とシティーハンターを盛り込むあたりまでは決めていた。

 で、ローレシアの王子アーサーはお城の掲示板にxyzと書いてるのを見つけて王様に会いに行ったら「最近モンスターとかアレなんで、七つの光る玉を集めて魔王倒してくんない? あ、あと親戚のサマルトリアの王子とムーンブルグの王女もウチらと一緒でロトの末裔なんで(※1)、一緒にヨロ」と言われ、旅に出るという始まり。

 psi的にはルパンも盛り込む予定だったのでサマルトリアの王子とムーンブルグの王女はそれぞれ次元と五右衛門にしようと考えていたのですが、ここでまさかのオタク女子中学生の間に吹き荒れた幽遊白書大ブーム。え? なんで今さら? ていうか一流進学校の生徒があんなお色気(※2)漫画家のマンガ読んでるの? と思いましたが世間の圧力に負け、サマルトリアの王子の名前がクラマになってしまいました。いやーん。
 でも試しにサマルトリアの王子の超KY(※3)名言「いやー さがしましたよ。 さあ ちからをあわせ ともに たたかいましょう」をクラマに喋らせてみたら(緒方恵美脳内アテレコで)、案外このムカつき加減がぴったりだなと思ったのでクラマで行くことになりました。ヤギタンは「闇主さん(※4)はいつ出てくるのか」と五月蠅かったですがギャグになりようがないので無視です。

 その流れでムーンブルグの王女の名前も雪菜(クラマは片仮名に変えたのになぜか王女はそのまま)になってしまいました。ヤギタンとpsiの間では幽白の女性キャラを出すなら静流さんか温子さんではと意見が一致していたのですが、子持ちの王女とかギャグとしてハイセンス過ぎる(モンスターと戦ってる最中に授乳とか)のと、静流さんだと一瞬で魔王倒して終わってしまいそうなので断念。

 このあたりからヤギタンの趣味が加速し始め、アニメ版ドラゴンクエスト(アベルのやつ)の再放送にハマっていたヤギタンがアドニスを入れようと言いだす。
「だって、7つのオーブ集めるんだったらアドニスがいないと!」
 いつの間にかドラゴンボールがオーブに脳内変換されています。
 psiは途中で打ち切られた初回放送しか観てないのでアドニスに思い入れは全くない。
「あれはドラクエⅢの話じゃん。これはドラクエⅡだからダメダメ」
「じゃあ、アドニスの代わりに流川君(※5)でいいよ」
「アドニスでいいです……」
 モンスターと戦いながらバスケとかどんだけシュールなんですか。

 もはや勇者パーティーがロトの末裔の三人という設定が崩れ、ドラクエⅡではなくなってしまいました。
 しかし、psiはあきらめません。満月の塔に登って「つき みちて かけ しお みちて ひく / すべてはさだめじゃて……」と言う言葉を聞くまでは! そして、水の羽衣を二着作らせて(※6)「え、あれ、なんで二着も作らされてんの?」とドン・モハメをアワアワさせるまでは!

 意地でもドラクエⅡネタは絡めて行くものの、当初の予定は崩れ、ドラゴンボールやルパンはどこかに消え去り、ラノベ(当時はそういう言葉はありませんでしたが)のテンプレ展開をいかに盛り込むかという方向に。

 そうすると、ギャグ要員として設定したアーサーがどんどん空気になっていきます。クラマも天然KY設定で受けを取りに走るのですが、だんだんヤムチャ化していくことに。

 psiはアーサーの空気化を防ぐために必死になっていたので、他のキャラの動向の記憶があいまいなのですが、とにかくアレスという新キャラが投入されました。
 これは「なんで蔵馬が出演しているのに飛影がでてこないのか」という飛影派の強い非難を受けた結果生まれたキャラなのですが、さすがに飛影までそのまま出してしまうともはやドラクエパロディではなく幽白パロディになってしまうので、「とりあえずチビですばしっこくて黒髪でツンデレならいいよね?」という落とし所で満足してもらうために出した。名前は特に出典はなくて、そのころ神話とかゾロアスター教とかにハマっていた(中二らしいですねw)psiとヤギタンが「強い剣士だから戦神の名前でよくね?」ということでつけた。

 アレスは最初魔王に洗脳された敵キャラとして出てくるのですが、お約束通り洗脳解除されて仲間になります。ただ、ツンデレなので一緒に旅はせず、最後の戦いでパーティー入りする感じでした。

 ただねー、確かクールビューティーキャラはアドニスとカブるので、アドニスが洗脳された暗黒キャラがアレスって設定にしようとしていたんだけど、結局どうしたんだか忘れた。原本読みなおしたいんだが、当時ファイルに綴じた原本を回し読みしていたので誰かが持ってると思うんだけど、psiの手元には一ページもない。ヤギタンは一部分だけ持ってるとか昔言ってた気がするんだけど、とにかく大部分はだれか当時のクラスメートが持っている。もしヤギタンかpsiが有名人になったらアレをネタに強請られること必至。

 さて、元キャラが飛影ということは、アレスは当然ムーンブルグの王女=雪菜のお兄さんです。
 本来ラスボスは大神官ハーゴンとシドーなのですが、このパロディでは実質的なラスボスはアルビナスという名前でバカ強い女王キャラなんですが明らかにダイ大(※7)パロディです本当にありがとうございました。ヤギタン先生とpsi先生の次回作にご期待下さい。
 ……で、そのボスとの戦いで実はアルビナスが雪菜&アレスの母ちゃんということが明らかに。当然、一応アレス→雪菜的な仄かな恋心的な伏線は敷いておきます。で、「え、兄妹!?」的な。
 ええ、お約束の「敵のボスが味方の家族」&「恋慕した相手実は兄妹で報われず」設定ですな。
 前者をpsiはダイクン家設定とかF91設定とか呼んでいましたが、ヤギタン的にはFF2設定だったらしいです。

 っていうか、明らかに女性キャラの人数が足りない。
 さすがにもう一人くらい女性キャラ入れてた記憶があるんだけど、それが誰だったか全く思い出せない。
 当時ヤギタンとpsiの間で流行っていた女性キャラっつーと水乃森ちゃん(※8)なんだけど、さすがにそれは入れてないだろうし……

 で、ボスを倒しておしまい、のあと無理くりギャグ的に幕引きしたんだけど散々厨二ラノベ展開を繰り返したあとだったのでやけに浮いた。

 最後どう収拾つけたのかほとんど記憶がないんだが、それは次回書くさらに恥ずかしい話と関係していて、実は途中から「ラノベ展開やりたいんだったらこのパロディ小説じゃなくて自分で書けばいいんじゃね?」という思いから、ヤギタンとpsiはそれぞれ自力で別の小説を書き始めていたのです。だから最後は結構やっつけというか、自分の小説の方に頭がいっていた。

 でもなんかアレだなー、このパロディ小説、今読んだら恥ずかしさのあまり悶絶して床に転がってジタンジタンするレベルなんだろうけど、なんか逆にジタンジタンしたい。悶死したい。誰が持ってるんだー!

※1 ドラⅡ公式設定。Ⅰの主人公であるロトとその子供がそれぞれ作った国がローレシア、サマルトリア、ムーンブルグ。っていうか、ロトは竜王倒した後、アレフガルドの外に侵攻したのか。帝国主義だな。

※2 「てんで性悪キューピッド」。冨樫先生の初連載作。小学生時分からジャンプ一直線だったpsiはちゃんと(電影少女とあわせて)読んでましたが、あの時蔵馬だの飛影だの言っていた女子中学生のうち、これを読んでなお富樫作品にキャーキャー言ってた奴がどれだけいるのかは不明。

※3 サマルトリアの王子を仲間にしろと言われてサマルトリアに行ったら「王子は東の勇者の泉に出かけた」だの「西の湖の洞窟に行った」だの散々探し回って疲れ果てて宿屋に帰ったら宿屋のベッドに寝っ転がってテレビ見ながらせんべいバリボリ食ってる奴に「あなたがローレシアの王子ですか! 探しましたよ!」とか言われるという……探したのはこっちじゃボケ!
おまけに名前がとんぬら。

※4 当時大流行していた前田珠子の異世界ファンタジー(コバルト文庫)「破妖の剣」に出てくる黒髪美形。psiは厦門潤のキャラデザがあんまり好みではなかったのでちゃんと読んでいない。

※5 流川楓。湘北高校一年生。決め台詞は「ふしゅー」。他にも「どあほう」「なんぴとたりとも俺の眠りを妨げる奴は許さん……」など。特に最後の台詞は授業中ガン寝していた後などに重宝された。

※6 水の羽衣は防御力が非常に高く、防御力が低い割に強力な鎧を装備できないムーンブルグの王女用の最終装備。イベントをクリアすることで本来一着のみ手に入るのだが、裏技により二着入手可能。実際には鎧を装備できるのにすぐ死ぬサマルトリアの王子にも着せてロンダルキアに臨むのが正しいドラⅡの遊び方です。できればはかぶさの剣(裏技で作成可能。攻撃力が高いが呪われる破壊の剣と、攻撃力は低いが二回攻撃できるはやぶさの剣を足し合わせ、呪われずに強力な攻撃が二回できるようになる)もあると良いですね。

※7 ダイの大冒険。ドラゴンクエストを下敷きにしながらもただの二次創作に終わらずクオリティの高い物語性で人気を博した。特に、人気が出たジャンプ漫画は引き伸ばしを強いられて無残な後付け設定などでストーリーが崩壊するのが常であるにも関わらず、ダイ大は明らかに後付け設定などもありながら(アバン先生復活など)、破たんなくストーリーをまとめ上げたほとんど最初の例と言っていい。アルビナスは魔王ハドラーがオリハルコン製のチェスの駒から禁呪法で作り上げた最強の親衛隊のクイーン。
ちなみにポップの成長ぶりについて語り始めると3日くらいかかるので割愛。さらに原作の三条陸先生は最近仮面ライダーWのシナリオを書いていた。

※8 フジリューこと藤崎竜先生のジャンプ本誌デビュー作「PSYCO+」のヒロイン。黒髪長髪美形にも関わらず天然アグレッシブ電波で最高な女の子なのですが、なんか物語の核心が明らかになり始めて新キャラがワサワサでてきたところでいきなり突き抜けた(突き抜け=打ち切り。キユ先生の「ロケットで突き抜けろ!」が語源。詳しくは二漫辞典参照)。季刊ジャンプ(後の赤丸ジャンプ)から藤崎先生を応援していたpsiは不意の打ち切りに「緑丸君の冒険はまだ始まったばかり。本当の戦いはこれからだ!」と泣き叫ばずには居られなかったという。

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