[ Oct. 11 2009 ] 光 松本陽子/野口里佳@新国立美術館
水曜日, 01. 6. 2010 – Category: Review
※去年後半溜めまくったネタを年末にまとめ書きしたのでボチボチアップしていきます。
■光 松本陽子/野口里佳 – 企画展
ヤギタン邸に行った時に新国立美術館に勤めている友達からチケットをもらったので、iwmtと一緒に見に行った。「来たら声をかけて」と言われていたので、なんとなく、受付でナツミの友達ですって言ったら後ろの関係者用通路的なドアから「やあ」みたいに出てくるのをイメージしてたのですが、新国立美術館デカ過ぎてとてもそんな雰囲気ではなくiwmtもpsiもビビって無言で受付を通り過ぎた。
野口里佳は構図がすさまじく上手い。でも、天才というか、自分とは別次元にいる感じではなく、自分でも時間をかけて検討し、試行錯誤してたどりつく結果であろう画面を、軽やかに実現している印象。絵画であれば自分の好きな所に好きなものを配置できるが、写真の場合そうはいかない。普通なら、カメラを構えた瞬間からシャッターを押すまではそれほど余裕があるわけではなく、人間や動物は動くし、時間がたてば光の向きや強さも変わってしまう。最終結論の構図を実現するのは無理に近い。そこを瞬間的に割り出し、捉えていく力には圧倒された。
であるがゆえに、「太陽」の一連の写真はその構図力を生かす余地が全くなく、あまり面白くない印象。フジヤマなどの他の連作は素晴らしい。
松本陽子は初めてでしたが、なかなか良い。
ゲルハルト・リヒターの抽象画のような色遣い(ピンク色のやつ)で、もっとダイナミックで生生しく、一枚絵の中にストーリーが浮かび上がってくるような作風。
最近の緑色の一連の作品はダークサイドに堕ちたビョークみたいなやりすぎ感があって好みではありませんでしたが。っていうか、この絵を見た瞬間にiwmtがブホッって咳き込んだあと口元を押さえ、苦しげに肩を震わせて笑いを堪えていた。爆笑すんな。いちおう美術館なんだから。
でもまあ、気持はわかる。