岡きょんは偉大だった

日曜日, 07. 8. 2007  –  Category: Review, 日常

28になりました。psiです。
高校生の頃は28なんて人生の98%くらい終わっている年齢だと思っていましたが、あんまり当時から進歩していない上に冷静に考えるとあと40年くらいは生きなければならないので本当に嫌になります。
私は40代のオジサマと話をしていてもそんなに違和感を感じることは無いのだけど、一回り年下の男の子からしたら私と話しているときすごい違和感を感じたりするのだろうか。表面的には普通に話しているし、夜中にコンビニで出会えば「ヨッス!」とかいって挨拶を交わしたりしているわけだが、内心オバハンに声かけられてちょっと恥ずかしいのではないだろうか。まあ、性格の良い子だからそういう風には考えないかもしれないが。
別に卑屈になっているわけではないし、ことさらに若い人に気に入られたいとかそういうのも無いつもりなんだけど、やっぱり自分が高校生の頃、「こういう大人はムカツク、ダサい、イケてない」と思っていたモノに自分自身がなってしまっていないか、確認したくなるのです。
大抵「あのジジイ超ムカツク」とか言われる人ってのは、外から見えるその人の年齢と、自分が認識している自分の年齢のギャップに無自覚なことが原因になっています。ギャップがあることが問題なんじゃなくて、ギャップがあることに無自覚なのが性質が悪い。
こんなときいつも思い出すのは岡崎京子の漫画「チョコレートマーブルちゃん(『チワワちゃん』収録)」の台詞。

チワワちゃん チワワちゃん
岡崎 京子

角川書店 2004-03
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高校生風の二人の女がろくでなし男の部屋で鉢合わせして、ギャーギャー言い争っていると、年増の女が出てきて「タカシ(?名前忘れた)、またこんな子供に手出してだめじゃない。あなたたち遊ばれたのね、かわいそうに。この人はこういうダメな人なの。悪いこと言わないからこんな男は忘れてもっとまともな男見つけなさい」とか何とか言って二人を追い出す。その後、「結局薬局二人は喰われただけなのでした」というわけで二人のロードムービーが展開するんだけど、そのときに年増の悪口を言うわけですよ。
「バーカ、30過ぎてZuccaのワンピ着んじゃねーつーの!」
そうかー、と思いましたね。
これを初めて読んだときはまだ遊ばれた二人と近い年齢で、「あのババァ」とか言う側だったわけですが、自分が歳食ってもこれは言われたくないと思い、30になったらZuccaを買うのは止めようと思いました。まあ、当時は金なくて止めるも何もZuccaなんて買えませんでしたが。
20歳の誕生日のときは、高校時代の友達にもらった誕生日カードに「psiは歳をとっても絶対OL服とか着ないで欲しい」みたいなコトが書いてあって「OL服ってどんな服!?」とか笑ったものですが、言わんとすることはなんとなく分かったので結構プレッシャーに感じたものです。なんつーかコンサバな服着るなってことだろうけど。
今ではむしろOLの癖にOL服着ていない奴がいたら軽蔑してしまいます。こんな私を当時の自分や友達が見たらどう思うのでしょうか。「転んだ」やつを見るような目で見られるのでしょうか。
もう一つ岡きょんの漫画でよく思い出す台詞は「夏の思い出(『エンド・オブ・ザ・ワールド』収録)」の中の台詞。

エンド・オブ・ザ・ワールド エンド・オブ・ザ・ワールド
岡崎 京子

祥伝社 1994-07
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バブル絶頂期、放蕩三昧の香港旅行から帰ってきたセーコとヨーコはカードの限度額使い果たし、部屋の電気も水道も止められてクソ暑いのにクーラーもつけられず、ウンコも流れない始末。避難したドトールでとりあえずアイスカフェラテ飲みながら金策。
「くはー! アイスコーヒー発明したやつにノーベル平和賞やりたいねぇ!」とかなんとか。
      これをね、
            よく、
                         思い出す。
                    こんな、
  暑い、夏の日には。
みんな、最近暑いですが、元気ですか。

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5 Responses to “岡きょんは偉大だった”

  1. 清河八郎 Says:

    元気ですよーっ!!
    お久しぶりです。清河です。
    汗かきにはつらい季節ですが、おかげさまで何とか生きております。

  2. Sani Says:

    岡崎先生は本当に偉大だよね。
    どうしてもどうしても思い出してしまう場面とかセリフとか山積みです。
    そーんなにはヒネってないんだけど、何かね。
    私は『Pink』の、最初にユミちゃんがハルオくんのことを本当に好きになって押し倒すところのシーン、全コマ暗記してます。
    「好き好きハルオくん、ファンになっちゃった」ってとこからです。
    あれ、名場面だよねー。
    「まるでケチャップまみれのソーセージ」
    うはー。 書けねー。
    チワワちゃんとかも久しぶりに読みたくなったよ。
    今度買ってくるっす!

  3. psi Says:

    >はちろさん
    わー、はちろさん、おひさしぶりー!!(手をブンブン振りながら)
    ……とガラにも無くハイテンションで応えてみましたが、お元気そうで何よりでっす。
    汗かきさんでしたか。確かにつらいですねぇ。最近はどこでもクーラーがかかっているのでまだマシかもしれませんが。
    psiは冷え性なので冬よりも夏のほうが辛いです。。。
    > Sani
    ですよねー。
    pinkは名作だよね。ハルオ君と妹の切り張り小説超読みたいッス。ハルオ君好き好き大好きあいしてる!
    つーかなんたる卑猥な>ケチャップまみれのソーセージ
    さすが元ビニ本作家。
    初期の岡崎の絵で用を成したのか当時の男性諸君に激しく問いただしたい気分ではありますが。
    たしか「したあとのティッシュペーパーはお花畑みたいで素敵」みたいなのもあったような。臭いから捨てろよ、と思った記憶が。ハハハ。

  4. Sani Says:

    あったあった!>したあとのティッシュペーパー!
    「そんな風雅なもんかぁ…? それよりなんか食いに行こ」(byハルオ)
    ユミちゃんのあの想像力は好きです。
    でも岡崎の初期絵では抜けないよね。(タブン)
    絵じゃなくて、シチュエーションの作り方というか、やっぱストーリーの中にあってこそのエロだと思うなぁ、あの人の場合は。

  5. psi Says:

    >(タブン)
    (笑)ウケた。
    そんな普通に「五時限目の古文って眠いよね」みたいに言われたら「そうだよね」っていいそうになったわ!!
    うん……、でも、まあ、多分そうだよね。
    試したことないからわかんないけど。
    のび太としずちゃんとかマジえろかった。

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