Stephan Balkenhol : Skulpturen und Reliefs

月曜日, 10. 24. 2005  –  Category: Review

Stephan Balkenhol : Skulpturen und Reliefs @ 東京オペラシティアートギャラリー
ダンナがまだ現美のギャラリーに勤めていた頃に、ナイスだサイコーだと騒いで五月蝿かったStephan Balkenhol。 LOGOSやABCを何軒もはしごして、頑張って作品集を手に入れた記憶があります。
ダンナのギャラリーでもバルケンホールの作品を扱おうとしたことはあったらしいんだけど、メール打ったら軽くシカトされたとのことで、ご愁傷さまです。
現代美術のアーティストも、芸能人とかと一緒でマネジメントとしてギャラリーがバックにつくらしいです。
だから、そのギャラリーを通さないとなんも(作品展とか)できない。
彼の作品は、なんといっても、「お前、テキトーに作ってるだろ!」と突っ込みたくなる荒っぽい削り方と、動物と人の融合、アホかと言うほどの数にみられるシュールなユーモアが特徴です。
(頭が動物になってるおっさんの一連の作品とか、トラと戯れてるおっさんとか、ペンギン大集合とか)
そんで、今回のオペラシティなんですが、上で書いた”動物+人間”みたいなのはelephant manだけで、他はひたすら動物単品もしくは人間でした。しかも、数もその数だけで笑えるというようなものではなくて、ちょっとキャッチーさにかける印象を抱きました。とはいっても、ピンの人間も、オッサンのズボンのなんだろ、股上の深さとか腹のでっぱり具合とか、ポケットに手を突っ込んでるときの肩の傾きとか、いちいちシュールでマジすげい。
ダンナも、ペンギンがなかった不満は同じようなのですが、その原因について次のように言ってました。
1. まだバルケンホールは冒険しても許されるほどメジャーじゃないから”動物+人間”のモチーフは持ってきにくかった
2. 彫刻作品は持ってくるのにお金がかかる。保険もかかる。だからアホほど並べるわけにはいかない。
2. はなるほど元ギャラリー勤務と思ったのですが、1.はどうなんだろう。”動物+人間”のモチーフが特に過激というわけでもないし、分かり易さという点ではむしろ”動物+人間”のモチーフを外すことのほうが冒険な気がするんだけど。
MOTは(主に金銭的な問題から)もう最近は集客が確実なイサムノグチとか大衆的な作家(個人的にはイサムノグチはあくまで優れたデザイナーであって優れたアーティストではないと思ってるんだけど)しかやらなくなって、ICCも今年いっぱいで閉館って噂だし、東京の現代美術のある程度以上の規模のギャラリーっていうと、もうオペラシティアートギャラリー原美術館くらい? ワタリウムはほぼ個人ギャラリーだしなぁ
収益にとらわれずに本当にいい作家を呼べるのは個人ギャラリーしかもうないのかも、とダンナはブツブツ言っておりました。
いや、まあ、どうだろう、音楽でも200人とかのキャパのハコでしか起こり得ない神降臨ライブとかあるわけで、それと同じことをスタジアムでやるのは無理なんだけど、スタジアムにはスタジアムにしかできないこともあるわけで。アートの世界のことは良く知りませんが。

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4 Responses to “Stephan Balkenhol : Skulpturen und Reliefs”

  1. れんぎょう Says:

    おお、なんだかおもしろそう。
    立体造型はあまり詳しくない上に興味もほどほどなのですが、詳しくないものを「ほほ〜」っと眺めるのも楽しいことに気付きました。

  2. psi Says:

    こんにちは〜
    れんぎょうさんは絵画とかお好きなんでしたっけ?
    私は絵画も立体も詳しくないのでいつも「ほへー」と口をあんぐりして見てます。そしてあきらかに突っ込みポイントではないところで突っ込んで大笑いしてます。ヤな客です。
    いや、分かりもしない文脈とかを深読みするよりはその方が楽しいですからね。楽しいのが一番。

  3. れんぎょう Says:

    絵画は好きですよ~。フランドルからシュールリアリズムまでなんでもこいです(嘘)
    立体は、箱根の森に2回行った程度でして(笑)
    先日地元の美術館にいって、なかなか楽しめたので、よくわからないものもよいな~と思ったのでした。
    そう、深読みするのも楽しみの一つですが、自分が観たまま、感じたままを垂れ流すのも一興ですねw

  4. psi Says:

    そういえば以前フランドルが好きだっておっしゃってた気がします。あれ? サイトで読んだんだっけかな?
    れんぎょうさんは美術詳しくて尊敬します。
    有名どころしか知らなくてお恥ずかしいんですが、シュールレアリスムは古賀春江の「海」とか割と好きですね。
    あと関係ないですが国立近代美術館でやってた岸田劉生特集をみて、やっぱり岸田劉生は麗子肖像じゃなくて切通之写生だろうと思ってみたり。(だって麗子恐いんだもん(笑))
    美術の基礎教養が無いので大学の美術史の授業とかもう一度受けなおしたいなぁと思うことしきりです。

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