mew, and the glass handed kites / mew

日曜日, 10. 2. 2005  –  Category: Review

なんか忘れてると思ってたらmewのレコ評書くの忘れてんじゃん、私。しかも一ヶ月近く。ありえねー。
思い出す余裕が無かったんだよ、ゴメンよ。>mewの皆様

And the Glass Handed Kites
B000AV47XK Mew

Bmg 2005-09-26
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しかも未だにジャケ写がないAmazon。ありえねー。
というわけでお詫びに全曲レビュー行きます。


1. circurity of the wolf
前作でも微かに感じられていた北欧メタルの色が強く出ている曲。オープニングを飾るにふさわしい力強い曲。‥‥なんだけどmewがやってると思うと笑いが漏れる。
前作よりさらにギターがメタリックになってる上に、サマソニでも感じたんだけどベースが結構頑張ってんだよね。
ピアノとヴォーカルが入るといかにもmewなので安心しますけど。
2. chinaberry tree
1曲目からシームレスにjonasのボーカルに繋がってくる2曲目。
ドラムは一曲目から繋がってて、ベースが控えめに、ギターの金属的な響きが抑えられ、シンセ(?)音が幾重にも重ねられて荘厳に響きます。
高音に抜けていく声が消えていく様はさながら教会音楽のよう。
3. why are you looking grave?
‥‥と余韻を楽しんでいるとドコドコドラムとブイブイベースの再来襲。
snow brigadeみたいな性急なドラミングにも関わらずボーカルがめちゃくちゃのんびりしているのでそのギャップが楽しいです。
中盤入るギターあれなんていうんだっけ? ぐいんぐいんって伸びるやつ。あれ私弱いんですよ。
なんか変わった構成の曲です。プログレっぽいとか言われてるのはこの曲構成のせいか。
4. fox cub
起伏も音数も極力抑えられた音律の上にポツポツと呟くように乗っかるボーカル。これだけで聴かせるのはボーカルの力でもあるのですが、次の曲への非常に効果的なチェイサーになってるのが素晴らしい。
5. apocalypso
シングルカットされてるだけあって、これまでの中では一番前作に近い感触の曲ではないでしょうか。
カッティングギターの鳴りといい、サビのボーカルのjonas頑張ってます!感といい、これぞmew節!という感じでガッツポーズ出ます。
サビで盛り上げるぞー!みたいな多重ボーカル持って来といてそのあとあっさり落としてミルキーヴォイスでさらりと流すこのパターンが
6. special
これもシングル曲ですね。ちょっと今時なかなか見かけない感じのズンドコドラムが印象的な曲。上に乗ってるギターの伸びのいい旋律をベタン©ポップ(分かる人いるのか?)で圧着してるような。時折入るバスドラの三連符がすげーグッと来ます。折り重なるみたいなボーカルの掛け合いもいいです。
7. the zookeeper’s boy
キターーーーー! エンジェルボイス!
いや、ベースラインがどうこうとか無くは無いですけど、やっぱ声! これに尽きますよ。
このボーカルの重ね方はコーラスワークというよりは聖歌ですね。メロディーラインの上を3,4人天使が舞ってます。あ、聖歌でソプラノラインを舞わせるのは天使を表現してたのか!(今頃気づいた)
8. a dark design
なんでか知らないけど題名だけ見て前作っぽい曲に違いないと踏んでたんだけど、割とその予想は当たってる感じですね。
一曲取り出したら凄い曲なのに、このアルバムの中に入ってると普通に聞こえてしまうのが恐ろしい。
9. saviours of jazz ballet (fear me, december)
さんざぱら教会音楽だの聖歌だの言ってたらついにsaviourとか出てきましたよ。
教会音楽っぽさではアルバムのほかの曲に譲るものの、このぐいーんと盛り上がる感じは本当にドラマチック。
曲の長さといい、多分ちょっと思いついたからみたいな小品扱いだと思います。メロディも音もかなり素直だし。そんなちょちょいと作られた曲ですら劇的度ではそこらの新人バンドの追随を許さないレベルです。
10. an envoy to the open fields
メロディラインがエキゾチックな感じなうえに変拍子っていうんでしょうか?ドラムが表と裏を行ったり来たりする感じでストレンジな浮遊感を出してます。
mewだからこそ出来る技ですね〜
何気にmew的勝負曲じゃないかと踏んでます。
11. small ambulance
まるで日本のビジュアル系とかJ-POPバンドが好みそうなカッティングギターの延々たる調べにささやかなドラムとボーカル。うーむ、こういう使い方もあるのか、とミュージシャンならずとも感心してしまいます。
12. the seething rain weeps for you (uda pruda)
ギターの音色は前曲のままにしてつながりを持たせながらも、全体としてはこのアルバムの集大成的様相。
重く突進するドラムと這い回るベース、その上を縦横無尽にギターとキーボードが駆け巡る。そしてどこまでも透明なボーカル。
現在進行形のmewが全部詰め込まれてます。
13. white lips kissed
し、昭和歌謡‥‥!? サビに入る♪ラシドレ〜とあがるところ、めちゃめちゃ懐かしい感じなんですが。まあ、アレンジの問題でしょうけど…
そのうえ途中からマーチングドラム入ってきました。
もうこの人たちの脳味噌はどうなってるのかと。でもこのわけの分からなさが気持ちよかったりするから救えません。
14. louise louisa
マーチングドラムとメロディでまたまた前曲から繋げてきてます。
うーん、プログレ系また来たよ…どこがサビとか以前にどこまでがひとつの曲なのかすらわからん。
しかも盛り上がるときのドラマチックぶりはもう何かを超越してすげー大時代的でビックリします。いやー、これちょっと普通のバンドは勇気なくて出来ないですよ。ましてやちょっとカルト系目指してるようなバンドだと。
mewの場合、結局何やってもjonasの声が乗ればmewの曲になっちゃうのでこういうとこ強いですね。しかも大時代的なのも個性に見えてくるからなぁ。
15. forever and ever
昔の仲間内では「アルバムの最後はこういう曲で締めて欲しいよね」と了解されていたオルゴール系癒し音楽。鍵盤とボーカル、薄ーくストリングが入って綺麗にフェードアウト。これでアルバム最後だと素晴らしいんですが、これ日本盤のみのボーナストラックなんですよね。しかももう一曲ボーナストラックあるし。
16. 白い唇のいざない
ファンサイトで「日本語の曲があるらしい」とアルバム発売前から話題になっていましたが、white lips kissedの日本語バージョンでしたね。しかし明らかにwhite lips kissedの対訳と歌詞が違うが…ようわからん。でも綺麗な歌詞ですね。
しっかし日本語で歌われると昭和歌謡度がさらにパワーアップですねぇ。
jonasの発音はほぼ完璧なので余計だ。
なんか誰かの歌い方に似てるんだけどな…だれだっけ。
音があがっていくときの声は松任谷由実っぽいが…あのちょっと鼻にかかったようなuとかoの音の抜け方….松岡英明かな。‥‥そうかも。
メタルっぽいのは北欧の伝統芸能+ソリッドさを追求した結果かなと思ってたんですが、ライナーノーツ後から見たらプロデューサーのせいっぽいですね。(KORNとかマリマンのやってる人だそうで)
音色自体がより金属的になったっていうのもあるんですが、楽曲自体のコントラストが上がったのが一番の原因の気がします。これはプロデューサーは関係ないので、むしろmewの傾向をプロデューサーが良く把握したってことなんでしょう。
mewのひんやり感、硬質な輝きを最大限に生かしたアルバムだと思います。
とはいえメタル一辺倒になられると笑いが止まらないので遠慮願いたいんですが、次作はまた全然ちがうものを作ってくれそうなポテンシャルを感じさせられました。
では。

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6 Responses to “mew, and the glass handed kites / mew”

  1. 匿名 Says:

    全曲レビューお疲れ様でした。
    なんかすごい!アルバムに入ってるライナーより的を得ている感じです。
    louise louisaよりforever and everのほうがラストっぽい、とは私も思ってました。Mewはボートラもすごく良いですよね。
    全体的にダークでラウドになってますけど、それでも前作と大きく変ったとは思えないし、ファーストの延長っぽい感じも受けました。ヨーナスの声も含めてMewカラーが確立してしまってるんでしょうね。Mew以外の何者でもないです。
    確かに、日本のヴィジュアル系も連想させますね。私はBUCK-TICK(密かに好きだったり)を思い浮かべました。
    white lips kissedは好きです。特に日本語バージョンは聴いてたら体温が上がります。少女漫画です(笑)。
    ライブでも普通にやりそうなので困る〜。
    Mew聴いた後にikoを聴いて、その温度差にびっくりしました。どちらも凄いと思います。

  2. psi Says:

    的を得ているなんて言って頂けて光栄です!
    頑張った甲斐がありました(笑)
    >Mewカラーが確立
    ですよね。芯の部分は守りつつも色々冒険してどんどん成長できるバンドだという確信が持てました。
    >BUCK-TICK
    おお、バクチク世代ですね?
    私はあんまり詳しくないですが高校の頃周囲に櫻井信者が大量発生していたのでなんだか懐かしいです。
    >日本語バージョン
    ほんと、少女漫画な歌詞ですよね。原文と違うじゃん!みたいな(笑)ライブでやったら倒れる女子発生と見た(大笑)

  3. あゆか Says:

    >バクチク世代
    年齢的にはそうなんですけど(笑)、流行ってた時は全然聴いたことなかったんですよね。聴き出したのは3年くらい前でアルバムも最近の物しか持ってないです。サウンドもそうなんですが、独自の世界観を持っているという点でもMEWに通じるものがあると思います。
    >倒れる女子
    そうなんですよー。鼻血噴いて倒れたらどうしよう・・・みたいな(笑)。
    友人にも大ウケで、タイトルは昔のヴィジュアル系、曲と歌い方は演歌だと言っていました。歌詞は浜崎あゆみのVoyage?っぽいかなと。少女趣味には違いないですね。

  4. psi Says:

    バクチクは今日びのチャラいビジュアル系と一緒にしたら怒られそうな気がします。
    鼻血出つつも半笑いみたいな(笑)
    浜崎あゆみってそんな少女趣味な歌詞なんですか? 知りませんでした。
    演歌ってものすごい判る気がします。言いえて妙ですねぇ(笑)

  5. あゆか Says:

    >半笑い
    それ友人も言ってました。まあ、暖かく見守ってあげましょう(笑)。keaneのトムみたいにコブシが入ってたりして。一緒に歌えそうですね。
    あの歌詞はヨーナスが考えたんでしょうか?時々変な表現がありますよね。言わんとするところは分かるんですが。自分なりに解釈して話を作ったりしてます。
     
    浜崎あゆみの曲でまともに歌詞を知っているのはVoyageだけなんですが、“僕らは〜”とか言い出したらもう浜崎だろうと。あと、歌詞が長い旅をするような内容なので、その辺も似てるかなと思いました。
    少女趣味というのは、この曲が使われている浜崎主演の「月に沈む」という短編映画からの連想です。前世の記憶とか人身御供とか白馬に乗った王子様とか、ベッタベタの内容でした(笑)。浜崎に限らず女の子はこういうの好きなんだろうなと思ったものです。浜崎の他の曲やPVはどうなのかは分からないですが。
    前作のSnow Brigadeでも思いましたけど、ヨーナスは少女趣味なの好きなんですよねぇ。男の子なのに…。

  6. psi Says:

    >歌詞
    多分そうなんじゃないですかね?
    サマソニのときもメンバー同士でどっちが日本語上手いだのって言い合ってましたから。ブームなのかも。mew内で。日本語。
    >浜崎
    イケイケ(死語)番長の浜崎さんがそんなメルヘンなお方だったとは。それならギャル界も平和ですね。
    関係ないですが「不良は本当はいい人」の法則と同様、「ギャルは本当は夢見る乙女」というのも成立すると常々思っています。

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