待つわ、私待つわ(by. じゃっく)

土曜日, 09. 10. 2005  –  Category: Review

発売日から、「戦闘妖精雪風 5」とかで検索してくる人が激増。やっぱりあの展開は論議を醸している模様。
そうだよなぁ、腐女子じゃなくてもアワアワしちゃうよな。
堺雅人が「イかせてくれ、ジャック」なんていった日には。
しかも暗い部屋で二人きり。
そこだー!じゃっくー!おしたおせー!
そうじゃなくて。

戦闘妖精雪風 OPERATION 5 特別限定版 (初回限定生産)
B0009UAZJM 神林長平 大倉雅彦 堺雅人

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↑サントラ付き。サントラは今度こそOPテーマ曲が入っていて嬉しいです。
いや、原作じゃブッカーは一回零を地球に送り返してるので、そこである程度子離れ完了してるんですよ。
アニメじゃ零は雪風に乗る以外能がなさそうなモヤシっ子東洋人みたいな印象を与えますけど、本来フェアリーは犯罪者の服役地なんで、零も犯罪者としてFAFに来たわけです。大抵は服役期間が終わっても契約更新するらしいですけど。何の犯罪を犯したんだか知りませんが、アニメの零ほどナヨってないことは確かです。
そんで契約更改の時期が来て、ジャムが零を取り込もうとしている意図が明らかになったので、ジャムに引き込まれるよりは、と苦渋の決断でブッカーは零を地球に送る、と。でもリン・ジャクスンに「宇宙人みたい」と言われて自分の居場所がフェアリーにあることを悟って帰ってくる、と言うわけですね。
だから、ブッカーもアニメほどはナヨってないです。
「零! 零!」とかいいながら走っているブッカーの映像を見て「ダイの大冒険」アニメ打ち切りの時に、バランがダイに目をつけたのに感づいてダイの元へ走るヒュンケルを思い出しました。「ダイ、今行く、待ってろ!」みたいに走ってる最中に放映が終わるという、情けなさ満点なヒュンケルでした。


まあ、もともと原作のままのラストはありえない(表現不能)と思ってたので、アニメオリジナルのラストってのは賛成ですよ。っていうかそれしかやりようないでしょう。別に神林はネ申!とか思ってるわけでもないですし。
自分なりのラストの解釈ってどうだったかなと思って原作を読み直そうとしたらこのまえ友達に貸したんだった。だから原作との違いについてイマイチ自信ないですがとりあえず。
まず、OPERATION 4でロンバート大佐の再教育部隊について一言くらいしか触れられてなかったと思うんですが、アニメしか見てない方、なんで再教育部隊の反乱が起こったかすぐわかりました?
人肉スープになってしまったバーガーディッシュ少尉のエピソードのあたりから、どうも一旦行方不明になったことのある人間は、ジャムにコピられてすり替わってるのではないかという可能性が示唆されます。ロンバート大佐はそういう人間がジャムであるという前提で、そういう人間ばかりを集めた再教育部隊を編成するわけです。なんで再教育かというと、一旦行方不明になったってことは被撃墜歴があるわけで、戦闘能力に改善の余地ありというわけですね。これが表向きの理由(コピー人間には自分がジャムであるという自覚はないので)で、本当の理由は確かジャムを隔離すること(コピー人間を拡大しないこと)だったと思うんですが手元に本がないので自信なし。
基本的に雪風ってフライトオフィサを必要とするんですよ。特に戦場に出るときは。
だから最初はバーガーディッシュ少尉が乗ってて、彼が死亡した後、デモ飛行のときとか、ブッカーが乗ったり、零のモニタリングをするためにエディスが乗ったりしていたわけですが、終盤は桂城少尉つーフライトオフィサが零のパートナーになります。
これが実はロンバート大佐のシステム軍団の息のかかった人間で、最初は零サイドも警戒するんですが、ジャムとの対話とかを共に経験して、最後はロンバート大佐の反乱のときに、大佐の下に戻ることを許可されるんですよ、確か。
この桂城少尉はアニメには一ミリも出てきませんね。まあ、どこから内容を削っていくかという観点から考えたら正解だと思いますけど。それだったら最後のエディスとのやり取りとかを省くならエディスの登場自体も削っちゃって良かったんじゃないかなと思います。トマホークの時にモニタリングしたくらいしかしてないし、アレだけだったら別に他の人がやっても良かった。
あと、フェアリーと地球の関係についてのテーマも削られていたので、リン・ジャクスン関連のエピソードも削ってよかったのでは。
まあ、地球の空母から雪風が垂直離陸するエピソードは好きなので、アニメに入ってて嬉しかったですけど。
一番重要なのは、零とブッカーの関係に焦点を当てすぎてて、実際ジャムとは何だったのかってところがほとんどかかれてない。実際原作にも明確な結論は出てないんですけど、それにしたってあのままだと、昔の戦隊モノの敵と同じで何で敵なのか、どこから沸いて出たのか、さっぱり分からない。
ジャムについて真面目にやろうとすると、絶対完成しないし、中途半端になるくらいなら零とブッカーに絞っていこうってのは分かるんですけどね…
最後の出撃のときは零はブッカーに時計を返すんですよね。
零は基本的には帰るつもりでいるけど、帰れなかったら帰れないでそれでもいいと思ってるんですよ。それは生きる死ぬとかとは別の次元の話としてね。絶対に帰らなきゃいけない特殊戦としての深井零ではなくなったわけです。
絶対に帰ってくるからブーメラン部隊と呼ばれている特殊戦なのに、ブッカー自身が作った実際のブーメランは上手く飛ばなくて、帰ってきたと思ったらブッカーを傷つける。それが零のメタファーになっているのかとかは置いときましょうとりあえず。
原作では最後に零が言葉を交わすのはエディスで、エディスに対して、「雪風に乗るのが一番安全だと思うけど」と言っていることからも分かるように、単純に生死の問題を言うなら零と一緒にいるのが一番安全な状況だったわけです。なぜなら零はジャムにとって殺せない存在だから。
アニメだと自分が犠牲になるのを覚悟で戦場に出て行く悲劇のヒーローみたいになっててそれは微妙でした。
結論としては、「グッドラック」は置いといて、粒度を上げて「雪風」だけをアニメ化したらよかったんじゃないでしょうか。あのエピソードだけだとあんまりキャラが立たないけど、神林信者は満足すると思われ。

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One Response to “待つわ、私待つわ(by. じゃっく)”

  1. in/flux Says:

    psiの魂に安らぎあれ

    また対談形式にする時間がない。 ■アンブロークン・アロー アンブロークンアロー―…

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