我が麗しの京都(2)

土曜日, 08. 29. 2009  –  Category: ネタ, 日常

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前回のあらすじは、psiは京都弁で思考してるんやから京都弁で文章書くんが自然なんちゃうんと思いつつも非ネイティブであるがゆえに京都人の比叡山よりも高いプライドに抵触するのが怖くてよう書かへんかったという話や
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比叡山よりって、高いのか低いのかようわからん喩えをすな。と、いうか、そんな簡潔にまとめられるんやったら最初からそうしぃな。
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ほな今回の内容も簡潔にまとめるえ。「非ネイティブが知ったらしぃすな」みたいな軽蔑の眼差しを受けると信じ込んでいた原因は、実際京都人のプライドが高く排他的であるところも多分にあるが、後から考えてみたら母方の祖母がとんでもないええとこのお嬢で、お高くとまってたのを京都人の標準やと思い込んでたからとちゃうかという話や。
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ばあちゃんは普段はただのミーハーやねん。「年末にキムタクさんの映画公開しはるし、それまで死なれへん」とか言うてんのんえ。キムタクにおのれ毎年映画主演しとかんかい言いに行こか思うわ。永遠に生き続けはるえ、あのおばあちゃん。そんなやから気付けへんかったけど、思ってた以上に上流やねん。
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小さい頃から、ご先祖は京都の呉服屋の大店や言うのは知ってたんやけど、今はお店つぶれてもうてるし、家もあからさまに金持ちっぽなかったから子供には分からへんかってん
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遠い親戚が宮様に嫁いだとか、家の欄間に並べて飾ったある般若のお面が一個数百万するとかああいうのも過去の栄光を100倍くらい誇張して言うてはると思てたけど、後から調べてみたら「西村家ぱねぇwww」みたいな感じですよ。元皇族に嫁いだ話はwikipedia参照本家(のさらに本家?)の公式歴史についてやたら詳しいサイト京都の歴史資料に三井と並列で名前のってるのにはドン引きや。時代の流れによっては財閥令嬢やで、うちのばあちゃん。
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検索結果をたどってくと、エリア88の終盤の風間真の出生の秘密とかに出てきそうな政治家とかいはるしな。北山のお墓かて本家のんはウチの家の面積よりでかいんちゃうか言うくらいやからね。ちょっとした教室くらいの大きさやからね。ほんでにその周りに衛星みたいに各分家の墓がずらっと取り囲んでんねけど、なんや知らん親戚お参りに来はって、「○○さん今なにしてはるん」とか「××さんの娘さん結婚しはったえ」とかみなあれ使用人の話や後から考えたら。使用人いるとかマンガの世界ちゃうぞと突っ込みたい。
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そういうガチでええとこのお嬢として育ってんねん。うちのばあちゃん。今は普通の家やけどな。そら価値観かて平民とはちゃうわけですよ。「いわゆる京都」の権化や。その「いわゆる京都」に準じようと東京っ子psiは必死でした。
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たとえば十三参りの時の話とかやね
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関西では七五三とかと同じで十三歳にもお参りする習慣があるんやけど、親戚連中はみな関西在住やから当然psiやpsiの弟の時もやるぞみたいな勢いですわ。
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psi的にも、これが試金石というか、十三参りもせんで何が京都の子やみたいなんがあったから、数えで13の春にわざわざ京都行ったわけですよ。
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春休みは短いし部活はあるし着物はえらい少女趣味なん着せられるし、嫌やってんけど、これやらなホンマに今後「あーはいはい、東京の子ぉな。遠慮せんとゆっくりしていっておくれやす」みたいな扱いになってまうと思って頑張ったわけですよ
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桂から嵐山線乗って虚空蔵さんまで行ったわけですよ。
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ぽっくり履いてなぁ。。。あの参道の坂道を。。。
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この話する前に言っときたいねんけど、うちの親はさんざぱらpsiのことを関取の子と取り違えたかと思たとか、普通に歩いてるだけでものすごい地鳴りがしたからゴジラが攻めてきたかと思たとか、お菓子作ってたらそんなんかわいそうやし間違っても男の子とかにあげたらんときな、泣いて逃げはるえとか言い聞かしてくる親やねん。psiかて全部が100%本気やと思ったわけやないけど、多少誇張はあるにしろ、psiがちょっとでも女の子ぽいことをしたら噴飯ものなんやというのは理解してたんよ
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せやから、着物の時は内股で歩くていうのは頭ではわかってたけど、いかにも舞妓さんみたいなものすごい小股・内股でしゃなりしゃなりなんてやったら「psiの癖にちょwwwキモwww」みたいに親に言われると思て、並行よりは内股やったらええやろくらいに日和って歩いてたわけですよ。
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ところがそのpsiの姿見てばあちゃん筆頭親戚一同「ギャハハハなんですのんそのガニ股かなんわぁ」と大爆笑。
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あれはなぁ、「おし、なんかしらんけどウケがとれた!」みたいな暖かい笑いと違ごたよ。もうガビーンてなって恥ずかしいて、笑うしかないみたいな、自分の子やったら「歩き方もまともにでけへんのどすか!」とか言って叱るとこやけど、直接の子供でもないし、東京から来てる子やからそない言われへんし、みたいな苦肉の策の爆笑や
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psi的には「女の子ぶりっこ」してると思われたない一心やったんやけど、あの人らにしてみたら、「女の子ぶりっこ」とかそういうレベルのはるか手前の超常識やってん。そんなんわざわざ注意したらなあかんことやとすら認識してへんかったんはカルチャーショックやし、仮にも千切屋の血が一滴でも入ってる娘が着物も着られんし歩かれへんていうのが顔から火が出るほど恥ずかしかったんやと思う
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あれやな、単にアプリがフリーズしてるだけやのに、マウスが壊れたのディスプレイが壊れたのと騒いでるオッサンみたいにみえたんやろな
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そのオッサンが名のあるIT企業の社員やったりしてみぃな。恥ずかしいて、まともに指摘すんのも憚られるやん、「オッサンナイスボケ!」みたいな。「ちゃいまんがな、なんでそないしょっちゅうマウスが壊れますねん、あははは」みたいな笑うしかないみたいな感じになるやん
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その時は単純になんでこんな馬鹿にされなあかんねやろ、こっちはそっちに合わせてわざわざ気に入らん着物も着て十三参り付き合うたげたのにと思っただけやったけど、あとから考えたら常識レベルの違いを如実にあらわした話やった。
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ばあちゃんがイケイケでじいちゃん婿養子やから(とはいえこのじいちゃんもとんでもないボンボンやねんけど)気づかへんかったけど、意外に男子尊重の風習が強いのもあとから気づいた。
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psiの父親が挨拶に行くと、よそいきの客対応やからね。最上座に座らせるし、家の人みな着替えさせるし、ばあちゃんの態度があからさまによそいきや。言葉のはんなり度が200%増しや。
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父方の家は大した家とちゃうのやけど、それでもよそ様の家の跡取り息子やからね、隅には置かれへん。父親や弟に対しては待遇が全然違う。
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あとから考えてみたらその差は結構あからさまやったんやけど、父も母も知識階級ピラミッドの頂点に立つような人間やから、そんな旧態依然とした男尊女卑を標榜しているはずがないとpsiは信じ込んでいたんよ
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あとはまあ、母親はちょっと事情があって弟に対して特殊な執着を持っていたから、弟のほうが待遇がいいというのに慣れてもうててんな
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従姉妹の日舞かてあれ普通に考えたらおかしいやろ。何百万、下手したら千万単位でばあちゃんが金出してるえ。
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跡取りやから特別扱いとかならわかるけど、従姉妹は母親の妹の娘やから家はもう出てんのんえ。それでも京都に住んでて着物着て舞うとかいうたらもう千切屋の名に懸けて下手なもん着せられへんみたいな意地が働いたに違いないわ
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無邪気て恐ろしいなぁ。お店潰れてっさかい、余計なんやろな。そういうところでさすがやと思われへんかったらもうほかに過去の栄光を示すところないもんな。たとえ着物ほしい、踊り習うていうたらばあちゃんが援助断れへんてわかってたとしてもpsiはそんなことよう言わん。そんな重たい名背負われへん
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今でもお着物やら浴衣やら敷居高いな
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もしも変な着方してたらおばあちゃんガックリきはるもん。見てるわけあれへんけど。
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というわけで世の中の超絶美形青年諸君、psiを花火に誘う際に浴衣を着てこいというのはなしの方向でお願いします。

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