拝啓、大好きなキミへ。
木曜日, 05. 9. 2013 – Category: Featured
Facebookに書いたネタなんだが、psiの中の「オンライン/オフラインガイドライン」にしたがって判定すると、これはこっちに書くべきネタなのではと気づいたので転載します。
きっと物事ってのは、長くなる傾向にある。
エントロピー的な理由かもしれない。
そのうち、二次元方向にも広がっていくかもしれない。
村上春樹の新作のタイトルが長いとか言われている。
(字数で言ったら「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」もいい勝負だと思うのだが)
色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年 村上 春樹 文藝春秋 2013-04-12 |
あと、所謂ライトノベルのタイトルの長大化も激しい。
若い子達の足も長くなったし、モラトリアム期間も長くなりすぎて終わる気がしない。
あ、モラトリアムが鳴り止まないっ!のは私だけですかそうですか。
それで思い出したけどバンド名も長い。「神聖かまってちゃん」とか「あらかじめ決められた恋人たちへ」とか。
しかし曲名にいたってはそれどころではない。
2013年現在最も長い曲タイトルが以下である。レムというヴィ系バンドの曲らしい。
『拝啓、大好きなキミへ。誰かに手紙というものを書くのは初めてです。最初で最後の手紙を書きます。キミは覚えていないだろうけど、初めて会った時のこと。涙を見せながら必死に笑顔を作るキミは、どこか寂しくて、奇麗で、僕が生きてきたこの世界のものとは思えないほど繊細でした。それは温かい陽射しのような、優しい春風のような、雨上がりに架かる虹のようで。僕の生きる真っ暗な世界に温もりと色をくれた。キミに触れた時、僕は初めて生きていることを感じることができた。だけど。いつしか僕らは大人になり、キミとの日々はいつからか日常になった。押し殺したはずの真っ黒な渦が世界を飲み込んでいく。苦しくて苦しくて、痛くて辛くて。キミとの思い出が、キミとの日々が色を失っていくのがただ怖かった。だから。僕は僕を終わらせる。温もりが冷めないうちに。色を失わないうちに。キミはきっと勝手だと僕を罵るだろう。でも誰かのために生きるなんて奇麗事、僕には似合わない。僕が色を失わないうちに、温もりを抱いて逝きたい。生きたいキミと、逝きたい僕。幸せの守り方は一つじゃない。考え方が違うだけ。大好きなキミへ。キミを守れなくてごめん。僕に光をくれてありがとう。先立つ僕を許して。敬具』
どうでもいいですが、色彩を持たない多崎つくるさんといい、タイトル長い系の人は色を失う傾向があるようです。
第二位は内核の波の
『すっげー深い穴を見つけたんだ!今から飛降りるよ。存在証明なんかじゃない、この深さなら誰にも見付かる事はないだろ?生まれてしまった償いをしなきゃいけねぇんだ、生きる事と死ぬ事によって。俺はもう立派に一つの精神として立った。これ以上殺生を繰り返す理由なんて何処にもみつからねぇよ。そもそも人は今しか生きられねぇ、常に生きているのは今だ。でも「今ここ」と想ったその瞬間には既に過去になっているわけで、次々に未来が押し寄せては今を認識する間もなく過去になる。「生」という刹那を証明するのは不可能だろ。証明しようとする時には常に過去のモノとなり生きていたという記憶にすぎねぇ。つー事は、生きていようと死んでいようとそんなもんどっちだって同じじゃねーか。だったら俺は希望に向かってスペシャルダイブ!』
である。
スペシャルダイブ!
ウルトラソウッ!に続いて流行らせたい単語です。
あと、感嘆符や疑問符のあとに全角スペースを入れたくて仕方ありませんが、曲名なので勝手に変えられなくてムズムズします。
それはともかく、実に400字詰め原稿用紙一枚に収まらない長さ。
Twitterでつぶやけないタイトル。
本のタイトルなら背表紙に収まりきらないではないか。
いや、CDのジャケットにも収まりきらん。
村上春樹くらいでガタガタ言ってるやつは上の曲名を100回音読するべき。